
ボトックス外来
ボトックス外来について

ボトックスは、ボツリヌス菌が作り出すタンパク質(ボツリヌストキシン)をごく微量だけ精製した注射薬です。
筋肉の動きを一時的にゆるめる作用があるため、まぶたや口の周囲がけいれんする、首や手足の筋肉が強くこわばる、といった症状の改善に用いられます。
ボトックス外来で対応する
主な症状と疾患
眼瞼けいれん
まぶたが勝手に閉じたり、まばたきが止まらなくなったりして視界が確保しづらくなる病気です。
ボトックスで眼輪筋の緊張をゆるめると、まぶたのけいれんが軽減し、まぶしさや読書困難が改善します。
片側顔面けいれん(ヘミスパスム)
顔の片側だけがピクピクとけいれんする病気で、人前での会話や食事に支障が出ることがあります。
症状のある部位にボトックスを注射すると、筋肉の過剰な収縮が抑えられます。
痙性斜頸(けいせいしゃけい)
首の筋肉が緊張して頭が傾いたまま戻りにくくなる病気です。
ボトックスで首まわりの異常な筋緊張を緩和し、痛みや姿勢のゆがみを和らげます。
上肢・下肢の痙縮(脳卒中後・脊髄損傷後など)
脳梗塞や脳出血、脊髄損傷の後遺症として手足がつっぱり、指が開きにくい、足先が内側に入るなどの日常動作の障害が現れます。
こわばっている筋肉にボトックスを注射することで、リハビリが行いやすくなり、衣服の着脱や歩行がスムーズになることが期待できます。
ジストニア
手指・足趾あるいは全身の特定の筋肉が勝手に収縮し、ねじれるような異常姿勢が続く病気です。
発症部位に応じてボトックスを注射し、症状を軽減させます。
これらの症状は、筋肉の不随意な収縮が日常生活に影響を及ぼす点で共通しています。
ボトックス注射は手術を伴わずに筋緊張をコントロールできる治療法として確立されており、外来で短時間に行えます。
気になる症状があれば、お気軽に当クリニックへご相談ください。
ボトックス外来の治療の流れ
STEP01
初回診察で状態を評価
まず問診と神経学的診察を行い、けいれん・こわばりが起こっている部位や程度を確認します。
上肢や下肢の痙縮では、筋電図や超音波を併用して「どの筋肉に注射すべきか」を細かく特定します。
STEP02
治療適応の説明と
同意書作成
検査結果を踏まえ、ボトックスが有効と判断できれば、作用機序・効果の持続期間・想定される副作用などを丁寧にご説明し、同意書を作成します。
この段階で薬剤を発注するため、初診当日の注射は行いません。
STEP03
薬剤の取り寄せと
スケジュール調整
厚生労働省の規定でボトックスは患者様ごとに薬剤を取り寄せます。
通常は1~2週間で準備が整いますので、受け取り予定日に合わせて注射日を予約します。
STEP04
外来での注射
(所要時間:約15分)
再診日に患部を消毒し、極細針で必要量を注入します。
注射後は5~10分ほど安静を確認し、そのままお帰りいただけます。
STEP05
効果判定と必要に応じた
追加投与
効果は2~3日後から現れ、3~4か月持続します。
生活動作が楽になったか、表情や姿勢が改善したかを再診で評価し、必要に応じて次回の投与を計画します。
ボツリヌス療法
(ボトックス注射)
の副作用と注意点
使用できないケース
ボツリヌス療法(ボトックス注射)は、いくつかの条件に該当する方には実施できません。
まず、妊娠中や授乳中の方は、胎児や乳児への安全性が確立されていないため施術をお断りしています。
また、妊娠を希望される方は、最終投与後に2回の月経を終えるまでは避妊が必要です。
男性の場合も、最終投与から少なくとも3か月間は避妊をお願いしています。
これらは安全に治療を進めるための大切な注意点ですので、ご理解とご協力をお願いいたします。
主な副作用
ボトックス注射は比較的安全性が高い治療ですが、ごくまれに次のような症状が報告されています。
- 注射部位の痛み・腫れ・内出血
- 一時的な筋力低下やだるさ
- ボツリヌス毒素が周囲に拡散した場合の嚥下障害・呼吸困難(極めて稀)
症状の多くは一過性で自然に軽快しますが、気になる変化が続く場合はすぐにご連絡ください。
予約枠について
薬剤は患者様ごとに取り寄せるため、ご希望の方は下記まで事前にお電話ください。

福岡市西区周船寺・糸島市周辺で
ボトックス外来をお探しの方へ
まぶたや顔のけいれん、脳卒中後の手足のこわばり、首のつっぱり。
こうした症状は日常動作を妨げ、対人場面でのストレスにもつながります。
福岡市西区の佐野クリニックでは、筋肉の過剰な緊張を和らげるボトックス注射を外来で行っています。
「注射は初めてで不安」「自分の症状に効くのか知りたい」など、どんな段階でも構いません。
まずはお気軽にお電話でご相談ください。

