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コラム

その関節の痛みや違和感、もしかして?

いつも佐野クリニックのコラムをご覧いただきありがとうございます。

 

「朝、手がこわばって動かしにくい」「関節が腫れて痛むけれど、年のせいかな?」「原因不明の微熱やだるさが続いている」……。

日々の生活の中で、このような体のサインに心当たりはありませんか?              

 

関節リウマチや膠原病(こうげんびょう)は、かつては「治らない病気」の代名詞のように語られることもありました。     

しかし、医学の進歩により、現在は「早期に発見し、適切な治療を行えば、これまで通りの生活を送ること」が十分に可能な時代になっています。

 

今回は、一般の方には少し分かりにくい「膠原病」と「関節リウマチ」についてその仕組みや注意すべき症状、そして最新の治療の考え方を

分かりやすく解説します。                                    

  1. そもそも「膠原病」とはどんな病気?                              

「膠原病」という言葉を聞いても、体のどこが悪いのかピンとこない方も多いでしょう。

膠原病とは、一つの病気の名前ではなく、共通の特徴を持つ病気の「総称」です。

 

私たちの体には、ウイルスや細菌などの外敵から身を守るための「免疫」という優れたシステムが備わっています。

本来なら自分を守るはずのこの免疫が、何らかの原因で暴走し、自分自身の健康な細胞や組織を「敵」だと勘違いして攻撃してしまうことがあります。

これを「自己免疫疾患」と呼びます。

膠原病は、この自己免疫によって、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などにある「結合組織(細胞同士をつなぐ組織)」に炎症が起こる病気です。

 ・関節リウマチ(膠原病の中で最も患者数が多い)

 ・全身性エリテマトーデス(SLE)

 ・シェーグレン症候群

 ・強皮症

 これらはすべて、広い意味で膠原病の仲間に含まれます。

 

2. 関節リウマチ:膠原病の中で最も身近な病気

膠原病の中で、最も多くの方が悩まされているのが「関節リウマチ」です。

現在、日本には約70万〜100万人の患者さんがいると推定されており、決して珍しい病気ではありません。

30代から50代の女性に多く発症する傾向がありますが、高齢の方や男性にも起こります。

 

なぜ関節が痛くなるのか?

リウマチの主な戦場は、関節の中にある「滑膜(かつまく)」という組織です。

ここで免疫の暴走による激しい炎症が起こると、関節が腫れ、強い痛みが生じます。

 

放置してしまうと、炎症が関節の軟骨や骨を破壊し、関節が変形して動かなくなってしまうこともあります。

しかし、後述するように、今の治療はこの「変形」を未然に防ぐことを最大の目的としています。

 

3. 見逃さないで!膠原病・リウマチを疑う「サイン」

膠原病やリウマチは、早期発見が何よりも大切です。

以下のような症状が続く場合は、一度専門的な検査を受けることをおすすめします。

 

① 朝の「こわばり」

リウマチの代表的な症状です。

朝起きたとき、手が握りにくい、指が腫れぼったい、体がスムーズに動かないといった状態が15分以上、長いときは1時間以上続くのが特徴です。

 

② 関節の腫れと痛み

指の付け根や第二関節、手首、足の指など、複数の関節が同時に対称的(左右両方)に腫れて痛む場合は注意が必要です。

単なる使いすぎによる痛みとは異なり、安静にしていてもズキズキ痛むことがあります。

 

③ 全身の「だるさ」や「微熱」

免疫が活発になりすぎているため、体力を消耗しやすく、疲れやすい、微熱が続く、食欲がないといった全身症状が出ることがあります。

 

④ 皮膚や粘膜の変化

日光に当たると顔に赤い発疹(蝶形紅斑)が出る、寒くなると指先が真っ白になる(レイノー現象)、口や目が異常に乾くといった症状も、

膠原病のサインである可能性があります。

 

4.治療のゴールは「寛解(かんかい)」へ

もし「リウマチ」と診断されたとしても、決して悲観する必要はありません。ここ1020年で、リウマチ治療は劇的な進化を遂げました。

現代の治療のゴールは、「寛解(かんかい)」です。

寛解とは、病気の症状がほとんどなくなり、検査数値も正常で、日常生活に全く支障がない状態のことを指します。

 

<進化したお薬の力>

以前は痛み止めで痛みを和らげるのが精一杯でしたが、現在は「メトトレキサート」という抗リウマチ薬や、

炎症の元をピンポイントでブロックする「生物学的製剤」「JAK阻害薬」といった強力な薬が登場しています。

これらを使用することで、関節の破壊を食い止め、変形を防ぐことが可能になりました。

 

<早く始めるほど、効果は高い>

関節の破壊は、発症から12年のうちに急速に進むことが分かっています。

この「窓が開いている期間(ウインドウ・オブ・オポチュニティ)」に適切な治療を開始できれば、将来的に関節の機能を守れる確率が飛躍的に高まります。

 

5.日常生活で大切にしたいこと

お薬による治療と並行して、日々の生活で気をつけていただきたいポイントがいくつかあります。

 

関節を冷やさない: 冷えは血流を悪くし、痛みを増強させます。お風呂でゆっくり温まったり、サポーターを活用したりしましょう。

 

適度な安静と運動: 炎症が強いときは無理をせず休み、落ち着いているときは関節が固まらないよう、医師の指導のもとで軽いストレッチを行いましょう。

 

ストレスを溜めない: 免疫システムはストレスの影響を受けやすいものです。十分な睡眠とリラックスできる時間を大切にしてください。

 

禁煙: 喫煙は関節リウマチの発症リスクを高めるだけでなく、薬の効果を弱めてしまうことが医学的に証明されています。

 

結びに:一人で悩まず、ご相談ください

「なんとなく体がだるいけれど、検査をしても異常がないと言われた」「この痛みは年のせいだと言い聞かせている」……。

そんな風に、一人で不安を抱えていらっしゃいませんか?

 

膠原病や関節リウマチは、初期症状が風邪や更年期障害、単なる疲労と似ているため、診断までに時間がかかることも少なくありません。

しかし、専門の医療機関で血液検査や画像検査(超音波検査など)を行えば、早期に原因を突き止めることができます。

 

もし、ご自身やご家族の体調で少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

あなたのこれからの健やかな毎日のために、私たちは全力でサポートさせていただきます。

 

共に歩み、明るい未来を目指しましょう。

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